☆ ラブラドライト
 
 

角度を変えて見たときに、金属的な冷たい暗灰色の石の中に玉虫色や瑠璃色の光が浮かび上がるとき不思議なインスピレーションを感じるラブラドライト。1770年にカナダのラブラドール半島で最初に発見されたことからこの名前が付いたとされています。その後、ヨーロッパではブローチやペンダントトップ、指輪などの宝飾ジュエリーの素材として重宝されたこともありました。現在はカナダのラブラドール以外にも同国のテラノヴァ、オーストラリア、マダガスカル、メキシコ、ロシア、米国、フィンランドなどで産出されます。特に、フィンランドのユレマー(Ylamaa)地方で産出されるものは虹色(若しくは玉虫色)の光沢をしていて、「スペクトロライト(スペクトルの石)」という商用ネームが付けられました。

 

ここで少し鉱物としてのラブラドライトに触れておきましょう。カルシウム、ナトリウム、アルミニウム、ケイ酸塩で構成されているラブラドライトは日本名で曹灰長石(そうかいちょうせき)と呼ばれている、長石グループに属する斜長石(Plagioclase)の一種です。マダガスカルで産出される濃く青い玉虫色をした「マダガスカルの月」と呼ばれる石は厳密に言うと曹灰長石ではなく、同じ斜長石に属する灰曹長石(かいそうちょうせき、 oligoclase)の一種です。 先ほど、冒頭でも触れましたがラブラドライトの特徴は何と言っても光の変化や見る角度で虹色や瑠璃色に変化するラブラドレッセンス(ラブラド効果)でしょう。その特徴から全てのラブラドライトがラブラドレッセンスを持っていると思いがちですが実はそうではありません。全体に産出される量からするとラブラド効果を示すものは極僅かです。質の良いラブラドレッセンスを持ったものだけがジュエリー用として加工され市場に出回ります。そのラブラドレッセンスは光に当てられた鉱物の結晶内部に光の干渉が起きることによるイリデッセンス(iridescence)効果によるものだと考えられています。規則正しく重なった曹長石と灰長石の薄い層による光の干渉説や赤鉄鉱や磁鉄鉱などの不純物が原因で光の干渉が起きているという説もありますが、まだ科学的に解明されていません。メタリックで冷たい暗灰色の石から浮かび上がるミステリーな玉虫色が現れる仕組みは解明されない方が夢があっていいかもしれませんね(^_-)-☆

 

ラブラドライト

 英 名  :labradorite
 和 名  :曹灰長石(そうかいちょうせき)
 色   :暗灰色(又は、透明色、茶色)
 条 痕 色:白
 モース硬度:6~6.5
 劈 開  :完全
 比 重  :2.65~2.75
 光 沢  :ガラス
 結 晶 系:三斜晶系
 科学組成 :(Ca,Na)(Al,Si)
 屈 折 率:1.559~1.570
 産 地  :カナダ(ラブラドール、テラノヴァ)、オーストラリア、マダガスカル、メキシコ、ロシア、
                 米国、フィンランド(=スペクトロライト